残業しないでみんなビール飲もう
「わたし定時で帰ります」矢野帰子
- 作者: 朱野帰子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/03/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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泣けるような、むかつくような、面白いような、そんな色々な感情を抱えながら読みました。
めっちゃ面白かったです!
キャラクターがすばらしく、いままでわたしが読んだお仕事もの小説の中で上位ランクイン!
仕事中毒のやつ、有給なんて取るな!っていうやつ、定時までダラダラして定時すぎてからぼちぼち仕事しだすやつ……
残業しないで帰るってことは、いかに生産性を高めて仕事をするかってことですよね。だから、主人公の結衣は生産性を高めつつ、必死に仕事してるわけですが、次第に残業して当然という空気になっていく……
おばさんがこんなこと言うのもナンですけど、ほんっと仕事しない(邪魔してくる)おじさんって一定数いますよね……
そんなおじさんや若者にいらいらしつつつ、主人公の奮闘ぶりに手に汗握ってしまう、そんなお仕事小説でした!
この小説の良いところは、日本人は働きすぎ!残業は悪!と言っているだけではなく、上の世代が残業をしなければいけなかった時代にも触れつつ、時代をつくったおじさんたちを肯定しているところではないでしょうか。
餃子のおじさんのセリフ
(あんなに働いたのに、負けたのかな、俺たちは」に少しホロリときました)
それでも、体を壊しながら働くのは間違っているのではないかというメッセージを感じました。
わたしのお父さんも、残業当たり前で働いている人だったので、そのあたりにとても共感できました。
エンタメとして話が面白いのももちろん、時代感にも富んだお仕事小説でした。
面白いからみんな読んでー!!!
いま、日本は世界各国に比べて、長時間労働のわりに生産性が低いという話をよく聞きます。
わたしも転職活動中ですが、子供がいるので残業があまりできないことを伝えると、やはり良い顔はされません。
でも、残業して当たり前という意識がなくならない限り、日本には未来はないような気もします。